注目される高齢化問題

現在の介護現場における課題が多いことについては、すでに多くの人から関心事として取り上げられている。世界第三位の経済大国である日本にとっても、大きな帰路に立たされているといわれている。戦後焼け野原からの歩みを続けてきた日本は、今までにも数々のピンチをしのいできている。その真正面な国民性に起因するといわれるが、着実な発展を遂げてきたことは、世界中の誰もが認めることである。

そんな中において、この高齢化という事態をどのように乗り切っていくかに、世界中から多くの視線が注がれているの。介護保険が、日本社会に登場してから長い年月が過ぎたが、いまだに多くの課題や困難に直面していることはまぎれもない事実である。今般、新たな懸案事項に浮上したのが、いわゆる団塊世代の高齢化である。この世代は、国民全体に占める割合も大きいことから、常に社会の注目を集めている。

介護保険において、さまざまな介護サービスの自己負担額の増加などが、デメリットとして取り上げられているが、マイナス面ばかりを主張するのも得策とはいえない。将来世代に対する責任をきっちり果たすことも、今を生きる世代の重要な役目である。莫大な資産を残すことよりも、未来永劫に続く制度をつくりあげることが何よりも価値のあることという見方もできる。過去の判断の積み重ねで様々な問題が浮上している今、「自分たちの世代だけ良ければそれでいい」という考えに走りがちな発想に警鐘を鳴らすべき時なのかもしれない。